2024年3月号
- ロシアと中国が月面における原子力発電施設の設置計画を示唆
- 中国、宇宙資源開発に対する法的立場を表明
- アメリカ商務省、商用リモートセンシング業者に対する軌道上デブリ規制の復活を検討
- ISSが生み出したデブリ、フロリダの民家に落下?
- 宇宙法模擬裁判 日本大会の開催
- ロシア、宇宙空間における原子力発電に意欲
- 日米、宇宙空間への核兵器の配備禁止に関する安保理決議案を提案
- アメリカ下院科学技術委員会、4つの宇宙関係法案を提出
- 第2回 宇宙交通管理に関する関係府省等タスクフォース大臣会合
- [コラム@]Eyes in the Sky: Clarifying Guidelines for Space-Based Imagery in Mass Atrocity Prosecutions
- [コラムA]Malaysia Keen to Make its Mark in the Global Space Sector
- [お勧めの文献@]Yuri Takaya, “Legal challenges to the operation and use of commercial spaceports,” Journal of Space Safety Engineering,
- [お勧めの文献A]松田芳和「宇宙条約における「有害な汚染」のスペースデブリへの適用可能性―適用を否定する学説が根拠にした起草過程の再検討」『環境法政策学会誌』第27号(2024年)142頁。
ロシアと中国が月面における原子力発電施設の設置計画を示唆
[SPLメモ] 原子力電源は宇宙空間における安定した発電手段として伝統的に人工衛星等で採用されている。とはいえ、原子力は各種の環境損害や健康被害と切っても切れない関係にある他、打上げ時の失敗リスク等も付きものであり、国際的な枠組みに関する議論が行われてきた。今回のロシアと中国が示唆したのは、月面におけるそれであり、各国がこれをどのように受け止めるかに注目が集まっている。
中国、宇宙資源開発に対する法的立場を COPUOS LSCで表明
https://spacenews.com/china-outlines-position-on-use-of-space-resources/
[SPLメモ] 中国政府は、国連宇宙空間平和利用委員会の法律小委員会に宇宙資源に関する活動への基本的な立場を示す文書を提出した。文書では宇宙活動に関する国際法の遵守の重要性が強調されている。
アメリカ商務省、商用リモートセンシング業者に対する軌道上デブリ規制を検討
[SPLメモ]
ISSが生み出したデブリ、フロリダの民家に落下?
[SPLメモ] 2024年3月8日、フロリダの民家に謎の物体が落下した。翌月の報道では、同物体が国際宇宙ステーションから投棄されたバッテリーである可能性が示唆されている。事態に対してNASAの広報官は、物体の回収及び調査を進めると説明している。
宇宙法模擬裁判 日本大会の開催
2024年3月10日、宇宙法模擬裁判大会の国内大会が開催され、早稲田大学が優勝した。年のテーマは「暗くて静かな空の保護および科学的調査の自由に関する事件」(衛星コンステレーションの展開に伴う光害や私企業の宇宙活動の継続的監督に関する法的問題)となっている。
[SPLメモ] 2024年3月10日、宇宙法模擬裁判大会の国内大会が開催され、早稲田大学が優勝した。年のテーマは「暗くて静かな空の保護および科学的調査の自由に関する事件」(衛星コンステレーションの展開に伴う光害や私企業の宇宙活動の継続的監督に関する法的問題)となっている。
ロシア、宇宙空間における原子力発電施設の設置に意欲
https://edition.cnn.com/2024/03/14/europe/putin-russia-nuclear-power-unit-space/index.html
[SPLメモ] 原子力電源は宇宙空間における安定した発電手段として伝統的に人工衛星等で採用されている。とはいえ、原子力は各種の環境損害や健康被害と切っても切れない関係にある他、打上げ時の失敗リスク等も付きものである。宇宙活動に関する原子力の扱いについては既に原子力電源利用原則といった国際文書が存在するが、今後も議論が必要なテーマである。
日米、宇宙空間への核兵器の配備禁止に関する安保理決議案を提案
https://www.reuters.com/world/us-japan-urge-nations-not-deploy-nuclear-weapons-orbit-2024-03-18/
[SPLメモ] 2024年3月19日、日本とアメリカは宇宙空間への核兵器の配置を禁止する条約の順守を求める安保理決議案を提案した。宇宙条約4条は「条約の当事国は、核兵器及び他の種類の大量破壊兵器を運ぶ物体を地球を回る軌道に乗せないこと」を義務付けている。先月にはロシアによる核兵器配備計画に関する報道が世間を騒がせたこともあり(真偽は不明)、同決議案はロシアの行動を念頭に置いたものであると考えられる。
アメリカ下院科学技術委員会、4つの宇宙関係法案を提出
[k/w] @帰還した宇宙飛行士の運転許可に関する法案、ANASAによる研究目的での私企業からリモートセンシングデータを購入を許可する法案、BNASAによる他省庁の教育プログラムへの共同出資を可能にする法案、C宇宙資源の研究所設置につき、NASAに事前調査を求める法案
https://spacenews.com/house-advances-four-space-related-bills/
第2回 宇宙交通管理に関する関係府省等タスクフォース大臣会合
[k/w] STM, OOS, Astroscale
https://www8.cao.go.jp/space/taskforce/debris/stm/dai2/gijisidai.html
[コラム@]Eyes in the Sky: Clarifying Guidelines for Space-Based Imagery in Mass Atrocity Prosecutions
[SPLメモ] 国際刑事裁判における衛星を用いた証拠収集制度に関する考察。
[コラムA]Malaysia Keen to Make its Mark in the Global Space Sector
https://spaceanddefense.io/malaysia-keen-to-make-its-mark-in-the-global-space-sector/
[SPLメモ] マレーシアの宇宙戦略および宇宙法戦略について解説するもの。
[お勧めの文献@]Yuri Takaya, “Legal challenges to the operation and use of commercial spaceports,” Journal of Space Safety Engineering, Volume 11, Issue 2, June 2024, pp. 315-317.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S2468896724000351
[SPLメモ] 民間企業が運用する商業宇宙港の法的課題を検討する論文。
[お勧めの文献A]松田芳和「宇宙条約における「有害な汚染」のスペースデブリへの適用可能性―適用を否定する学説が根拠にした起草過程の再検討」『環境法政策学会誌』第27号(2024年)142頁。
https://jaelp.smoosy.atlas.jp/ja/journal_epub27
[SPLメモ] 宇宙条約第9条の宇宙デブリ問題への適用可能性を検討する論文。