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2023年12月号

エジプトがILRSへの参加を表明
ITUが世界無線通信会議を開催
慶大宇宙法センターがランチタイムセミナーを開催
トルコ、宇宙法の立法の準備
米ボナホ族がPeregrineの打ち上げに抗議
［コラム①］Space and satellite wrap up ? Legal and regulatory developments in 2023
［コラム②］マンフレッド・ラクス宇宙法模擬裁判大会とは？ 2024年アジア・太平洋予選は日本で開催宇宙法模擬裁判に迫る
［コラム③］宇宙法とは？宇宙ビジネスに関連する法律について解説
［お勧めの文献］青木節子「宇宙安全保障と国際法」『国際問題』No. 716（2023年12月）49-58頁.

エジプトが「国際月面研究ステーション」ILRSへの参加を表明

https://spacenews.com/egypt-joins-chinas-ilrs-moon-base-initiative/

[SPLメモ]　ILRSとは、中国主導の月面開発プロジェクトのことである。アメリカ主導のArtemis Accordsと比較されることが多い。
関連記事： SWF, “Lunar Space Cooperation Initiatives,” at https://swfound.org/lunar-space-cooperation-initiatives/

ITUが世界無線通信会議(WRC-23)を開催

[k/w] 高高度プラットフォーム（HAPS）, 災害管理（ESIM）, シスルナー

https://www.itu.int/en/mediacentre/Pages/PR-2023-12-15-WRC23-closing-ceremony.aspx

[SPLメモ]　世界無線通信会議（WRC: World Radiocommunication Conference）とは、無線周波数の使用や各種の衛星利用について規定する無線通信規則の見直しおよび改定のために、3~4年おきに開催される。今回のWRCで特に注目を集めたのは月面開発に適用される制度に関する議論で、これはアメリカや中国が月面開発に向けた計画を進めている状況を踏まえたものと思われる。

慶大宇宙法センターがランチタイムセミナーを開催

[k/w] 篠宮元「宇宙活動と主権免除の諸問題」, 国連国家免除条約の3条3項

https://space-law.keio.ac.jp/symposium.html#a22

[SPLメモ]　慶応義塾大学の宇宙法研究センターは、１．宇宙活動における諸問題に対する法的視点からの検討と対処方法の提案、２．日本における宇宙法研究水準の向上、３．宇宙法分野における実務家および研究者の養成への寄与、４．アジアにおける宇宙法分野の能力開発への貢献を目的として設立された（HPより）。同センターでは年に一度のシンポジウムと定期開催のセミナーを行っており、今回のセミナーでは「宇宙活動と主権免除の諸問題」に関する報告が行われた。

トルコ、宇宙法の立法の準備

https://move2turkey.com/turkish-minister-of-industry-preparations-for-the-space-law-begin/

[SPLメモ]　トルコ宇宙局の設立を主目的とする国内宇宙法を起草中とのこと。

ボナホ族、Peregrineの打ち上げに対し抗議

[k/w] 月面, 宇宙葬 ※論点について2024年1月5日の記事を参照

https://www.space.com/peregrine-moon-lander-stacked-ula-vulcan-rocket

[SPLメモ]　宇宙活動と人権の問題は近年にわかに注目を集めている。先住民族の権利については、衛星がもたらす光害と月やその他の天体を儀式等に使用する先住民族の権利との関係で検討が行われることが多いが、今回は月に遺骨を輸送するサービスがボナホ属にとっての月の神聖性を害するという角度から問題視された事案である。