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国連総会、宇宙空間における大量破壊兵器決議を採択

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_01464.html

[SPLメモ] 2024年12月3日、国連総会は日本、アメリカ、アルゼンチン及び55か国が共同提出した「宇宙空間における大量破壊兵器」決議を採択した。同旨の決議は11月に第一委員会において採択されている。宇宙空間におけるこれらの兵器の配置は宇宙条約4条で禁止されているが、今回の決議は当該規則を確認し、その重要性を強調するものである。

パナマ、オーストリア、アルテミス合意に署名

https://spacenews.com/artemis-accords-reach-50-signatories-with-panama-and-austria/

[SPLメモ] 2024年12月11日、パナマとオーストリアがアルテミス合意に署名した。アルテミス合意は月面における活動につき、資源の探査及び利用も含めた規範を構築していくための枠組で、NASAが主導している。これでアルテミス合意の署名国は50か国となる。

オマーンの宇宙企業がILRSの覚書に署名

https://spacenews.com/omani-space-company-signs-up-to-chinas-ilrs-moon-base-project/

[SPLメモ] ILRSとは、中国主導の月面開発プロジェクトのことである。アメリカ主導のArtemis Accordsと比較されることが多い。
関連記事: SWF, “Lunar Space Cooperation Initiatives,” at https://swfound.org/lunar-space-cooperation-initiatives/

IISL総会の開催

https://iisl.space/index.php/2024/11/22/iisl-general-assembly-to-be-held-on-14-december-2024/

[SPLメモ] 2024年12月14日、IISL(国際宇宙法学会)が2024年総会を開催した。同会では役員の選挙や活動方針の決定のほか、マンフレッド・ラックス宇宙法模擬裁判大会の運営についても議論が行われた。

宇宙政策委員会、宇宙活動法の見直しに関する小委員会の第5回会合を開催

https://www8.cao.go.jp/space/comittee/31-katsudou_minaosi/k_m-dai5/gijisidai.html

[SPLメモ] 2024年12月17日、内閣府の宇宙政策委員会に設置された「宇宙活動法の見直しに関する小委員会」の第5回会合が開催された。主な議題は打上げ及び人工衛星管理の国際的な競争力の確保に向けた環境整備、事故対応の在り方、宇宙活動の透明性向上の在り方であった。

タイがアルテミス合意に署名

https://spacenews.com/thailand-signs-artemis-accords/

[SPLメモ] 2024年12月17日、タイがアルテミス合意に署名した。アルテミス合意は月面における活動につき、資源の探査及び利用も含めた規範を構築していくための枠組で、NASAが主導している。タイはアルテミス合意の51番目の署名国となるのだが、タイの署名において特筆すべき点は、同国が中国主導のILRSの加盟国でもあるという点である。

宇宙政策委員会、宇宙活動法の見直しに関する小委員会の第6回会合を開催

https://www8.cao.go.jp/space/comittee/31-katsudou_minaosi/k_m-dai6/gijisidai.html

[SPLメモ] 2024年12月19日、内閣府の宇宙政策委員会に設置された「宇宙活動法の見直しに関する小委員会」の第6回会合が開催された。主な議題は有人宇宙飛行・輸送制度の在り方及び残された検討課題等であった。

リヒテンシュタインがアルテミス合意に署名

https://spacenews.com/liechtenstein-signs-the-artemis-accords/

[SPLメモ] 2024年12月22日、リヒテンシュタインがアルテミス合意に署名した。アルテミス合意は月面における活動につき、資源の探査及び利用も含めた規範を構築していくための枠組で、NASAが主導している。リヒテンシュタインはアルテミス合意の52番目の署名国となる。

ケニアに宇宙物体の破片が落下、誤報が拡散しケニア当局が公式声明

https://thedebrief.org/1100-pound-space-object-falls-from-the-sky-in-kenya-fueling-misinformation/

[SPLメモ] 2024年12月31日、ケニア北部に宇宙物体の破片と思われる物体が落下し、SNSにおいては宇宙物体の来歴やケニア当局の反応に関する様々なデマが拡散された。これを受けてケニア当局は2025年1月4日、自らが宇宙物体の来歴を未だ特定していないことや、不確定な情報の拡散を慎むよう呼び掛ける声明を発した。

[コラム] Zhong Lun Law Firm, “A general introduction to Space Law in China”

https://www.lexology.com/library/detail.aspx?g=57881328-e01f-4eab-8026-8f5e5aa36cbf

[SPLメモ] 国連宇宙諸条約の履行における国内法制度や関連する省庁や国営企業など、中国の国内宇宙法制度を概観するのに有用な基本書的コラム。興味深い点も多く、例えば、中国における宇宙安全保障(Outer Space Security)がどの国内法においてどう定義されているかなど、中国の宇宙活動における法解釈やルール形成における立場を知ることができる。

[お勧めの文献@]Bartosz Malinowski, Regulatory Dilemmas of Suborbital Flight (Springer, 2024).

https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-031-75087-8

[SPLメモ] テーマとしては新しくないが、現在の各国の宇宙航空関連法の比較検討は興味深い。

[お勧めの文献A]Yarin Eski and Jack Lampkin (eds.), Crime, Criminal Justice and Ethics in Outer Space International Perspectives (Routledge, 2024).

https://www.taylorfrancis.com/books/edit/10.4324/9781003437178/crime-criminal-justice-ethics-outer-space-yarin-eski-jack-lampkin?refId=5dae0f8a-f45d-484a-a7be-eba685635197&context=ubx

[SPLメモ] 宇宙空間における刑法の適用可能性を検討する文献。これまでISSの事例が代表的であるが、モジュール内で犯罪が起こった場合は、犯罪を犯した物の国内法が適用される(人的管轄権)。「宇宙飛行士は宇宙犯罪を犯さない」という常識はいつまで持つか分からないため、月面有人探査が始まる現在、興味深い視点である。

[お勧めの文献B]G. Blair Kuplic and Jonathan Sawmiller, “Humanity on the final frontier: Challenges in applying international humanitarian law to modern military space operations,” International Review of the Red Cross, (2024), p. 1.

https://www.cambridge.org/core/journals/international-review-of-the-red-cross/article/humanity-on-the-final-frontier-challenges-in-applying-international-humanitarian-law-to-modern-military-space-operations/B582F0CF024ABB55692C95B36793D49E

[SPLメモ] 宇宙活動にどう国際人道法が適用されるのか?2025年IISLマンフレッド・ラクス宇宙法模擬裁判の問題でもある本テーマの重要性は年々増すばかりである。

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