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2024年5月号

セルビア、ILRS月面基地プロジェクトに参加
日本、再使用ロケットを巡り宇宙活動法改正にむけ調整
安保理、宇宙空間の平和利用に関するロシア主導の決議案を否決
アメリカ、ロシアがASAT兵器を打上げたと主張
軍事宇宙活動に関する国際法についてのウーメラマニュアルが出版
アルテミス合意署名国、カナダで会合
ゼロデブリ憲章に12か国が署名
国連、日本と協力しフィリピンとタイへの宇宙法能力の支援ミッションを開始
ペルーとスロバキアがアルテミス合意に署名
韓国、航空宇宙分野を所轄する機関KASAを設立
［コラム］Yannick Radi, ESIL Reflection ? Space Mining in Practice ? An International Space Law Perspective on Upcoming Challenges.
［お勧めの文献①］Jack Beard and Dale Stephens (eds.), The Woomera Manual on the International Law of Military Space Operations (Oxford University Press, 2024).
［お勧めの文献②］佐藤雅彦「宇宙法とは何か？」『日本航空宇宙学会誌』第72巻第5号（2024年）156頁.

セルビア、ILRS月面基地プロジェクトに参加

https://spacenews.com/serbia-becomes-latest-country-to-join-chinas-ilrs-moon-base-project/

[SPLメモ]　ILRS（International Lunar Research Station, 国際月面研究ステーション）とは、中国国家航天局とロシアのロスコスモスによって計画されている月面基地である。米国主導のアルテミス計画とよく比較される。

日本、再使用ロケットを巡り宇宙活動法改正にむけ調整

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG155WA0V10C24A5000000/

[SPLメモ]　再使用打上げ機（Reusable Launch Vehicle: RLV）は、弾道飛行を繰り返しすることでコストダウンが見込めるため、宇宙旅行ビジネスを担う輸送機である。

安保理、宇宙空間の平和利用に関するロシア主導の決議案を否決

https://jp.reuters.com/world/security/OWUAWQLTSNIGRC7QZLSO72NLXE-2024-05-21/

[SPLメモ]　安保理内で、宇宙空間の平和利用を巡り、ロシアが提案した決議案および日米が提案した決議案の否決が続いている。

アメリカ、ロシアがASAT兵器を打上げたと主張

https://spacenews.com/u-s-claims-recently-launched-russian-satellite-is-an-asat/

[SPLメモ]　1967年宇宙条約第4条1項は大量破壊兵器の地球軌道配備だけを禁止しており、通常兵器は禁止していない。同条2項の「平和的（peaceful）」の解釈は「侵略的でない（non-aggressive）」とするのが通説である。米国の「偵察（reconnaissance）衛星」の運用自体は合法であり、ロシアが打上げた人工衛星が、もし「対宇宙（counterspace)機能」を有していたとしても、同条1項の違反には該当しない。国連第1委員会で「責任ある行動」決議案が議論されているが、宇宙兵器は定義が難しく、宇宙技術は軍民両用であり、また、宇宙空間の定義も国際的に合意に至っていないため、なかなか禁止に向けた条約案を作るのは難しい。