2024年4月号
- 米国の商業用ロケット、日本で打ち上げるために環境整備がはじまる。
- SWF、2024年版Global Counterspace Capabilities Reportを公開
- アメリカ、「月の標準時」に意欲
- EU、宇宙法の草案の公表を延期
- 日米、月面における活動につき協定を締結
- NASA、フロリダの民家に落下した物体がISS由来であることを認める
- 国連COPUOS LSCが開催
- スイスがアルテミス合意に署名。37カ国目
- スウェーデンがアルテミス合意に署名。38カ国目
- スロベニアがアルテミス合意に署名。39カ国目
- ロシア、国連安保理において宇宙軍拡競争防止を求める決議案に拒否権を行使
- [コラム@]EU Space Law ? Three reasons against, three reasons in favour
- [コラムA]Space Law and Arbitration: An introduction to Space Law in the UK
- [お勧めの文献]Maria A. Pozza (ed.), Ascending to Space Critical Perspectives from New Zealand and other Nations (Springer, 2024)
米国の商業用ロケット、日本で打ち上げるために環境整備がはじまる。
[k/w] 技術保障協定(TSA)
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20240401-OYT1T50096/
SWF、2024年版Global Counterspace Capabilities Reportを公開
https://swfound.org/counterspace/
[SPLメモ] Secure World Foundationは毎年Global Counterspace Capabilities Reportと題する文書を公開している。同文書は主要な宇宙開発国における宇宙作戦能力の評価を行うものであり、アメリカ、ロシア、中国、インド、オーストラリア、フランス、イラン、イスラエル、日本、北朝鮮、韓国、イギリスに対する分析が行われている。
アメリカ、「月の標準時」に意欲
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240404/k10014412121000.html
[SPLメモ] 近年、アメリカや中国を中心に月面開発に向けた計画が進められている。今回の月の標準時の策定はこの流れを汲むものであり、地球と月の環境の違いを踏まえた事故の防止等の狙いがある。
EU、初の包括的な宇宙法の草案の公表を延期
https://spacenews.com/eu-to-delay-space-law-constellation-contract/
[SPLメモ] EUは3月に予定していた宇宙法案の公表を6月の議会選挙後に延期することを発表した。同法案はEU初の包括的な宇宙法を目指すものである。
関連資料:EJIL Talk!による解説
https://www.ejiltalk.org/eu-space-law-three-reasons-against-three-reasons-in-favour/
日米、月面における有人活動につき協定を締結
[SPLメモ] NASAは現在、アルテミス計画に基づく月面開発に着手しており、日本とは2022年のゲートウェイ実施協定を始めとする様々な協力関係にある。今回の協定では日本人初の月面着陸に向けた協力などが盛り込まれている。
NASA、フロリダの民家に落下した物体がISS由来であることを認める
https://blogs.nasa.gov/spacestation/2024/04/15/nasa-completes-analysis-of-recovered-space-object/
[SPLメモ] NASAは先月にフロリダの民家に落下した物体が国際宇宙ステーション(ISS)から放出されたデブリであることを認めた。本件については国際法上の分析を行う論考も増えているが、宇宙損害責任条約や宇宙基地協定といった既存の国際法の枠組みは他国にもたらした損害を処理するものであるため、本件は基本的にはアメリカ国内法に基づく処理が行われるものと思われる。
国連COPUOS LSCが開催
https://www.unoosa.org/oosa/en/ourwork/copuos/lsc/2024/index.html
[SPLメモ] 2024年4月15日から26日にかけて、国連宇宙空間平和利用委員会の法律小委員会が開催された。今年度は宇宙5条約の現状、宇宙資源の探査及び利用とデブリ問題に関する法制度、宇宙交通管理や小型衛星の問題などが議論された。
スイスがアルテミス合意に署名。37カ国目
https://www.nasa.gov/news-release/nasa-welcomes-switzerland-as-newest-artemis-accords-signatory/
[SPLメモ] 2024年4月15日、スイスがアルテミス合意に署名した。アルテミス合意は月面における活動につき、資源の探査及び利用も含めた規範を構築していくための枠組で、NASAが主導している。スイスは37番目の署名国となる。
スウェーデンがアルテミス合意に署名。38カ国目
[SPLメモ] 2024年4月16日、スウェーデンがアルテミス合意に署名した。アルテミス合意は月面における活動につき、資源の探査及び利用も含めた規範を構築していくための枠組で、NASAが主導している。スウェーデンは38番目の署名国となる。
スロベニアがアルテミス合意に署名。39カ国目
https://www.nasa.gov/news-release/slovenia-signs-artemis-accords-joins-pursuit-of-safer-space/
[SPLメモ] 2024年4月19日、スロヴェニアがアルテミス合意に署名した。アルテミス合意は月面における活動につき、資源の探査及び利用も含めた規範を構築していくための枠組で、NASAが主導している。スロヴェニアは39番目の署名国となる。
ロシア、国連安保理において宇宙軍拡競争防止を求める日米主導の決議案に拒否権を行使
https://www.bbc.com/japanese/articles/cmm3ve5qyvpo
[SPLメモ] 2024年4月24日、ロシアは国連安保理において、先月に日米両政府が提案した宇宙空間の平和利用に関する決議案(S/2024/302)に対して拒否権を行使した。同決議案は、宇宙条約上の義務を確認するほか、地球の周回軌道上に配備する目的で核兵器などの大量破壊兵器を開発しないよう求めるものである。宇宙条約は宇宙空間における大量破壊兵器の配置を禁止しているが、開発の禁止を規定してはおらず、その意味で同決議案は既存の宇宙条約の規定を一歩進めるものであった。
[コラム@]EU Space Law ? Three reasons against, three reasons in favour
https://www.ejiltalk.org/eu-space-law-three-reasons-against-three-reasons-in-favour/
[SPLメモ] 現在検討が進められているEU宇宙法について、その課題と利点を開設したもの。
[コラムA]Space Law and Arbitration: An introduction to Space Law in the UK
https://www.clydeco.com/en/insights/2024/04/space-law-and-arbitration-does-the-united-kingdom
[SPLメモ] イギリスにおける国内宇宙法と仲裁制度を解説するもの。